2009年07月03日

命の誕生

生命の誕生です。

私達の牧場では年間平均100頭の子牛が生まれてきます。

元気に育つ子牛、途中で病気になり死んで行く子牛、難産や逆子で死産する子牛などさまざまですが、ここ数年は病気や難産などで死亡する子牛は年間で10本の指内になりました。

子牛が生まれました。
分娩.jpg




生命の誕生の瞬間は何時見ても感動します。

母牛が陣痛による痛みに耐えながら、我々を見つめる眼差しは何のたとえ用もないものです。

心の中で、時にはこちらも興奮して声に出して〃頑張れ〃、〃頑張れ〃 “そ〜らもうひとふん張りだぞ” 〃そ〜ら出てきたぞ〃 この掛け声に母牛も最後の力を出して モウ〜〜

と鳴いて子牛を産み落とします。

分娩-2.jpg



お産を何回も経験している牛の時は自然分娩させます。

初産の牛の場合は分娩状況を見ながら自然分娩させるか、助産するか決めますが、今回は初産の牛でもあり、母牛のりきみがだいぶ弱くなり疲れてきたので産科ロープで子牛を引き出すことにしました。

母牛の力みに合わせて引っ張ります。骨盤が完全に開いた状態でないのでめちゃくちゃに引っ張り出すと、母牛の産道を痛めたり、筋を痛めたりして、立てなくなったりします。

分娩-3.jpg


もちろん子牛にも良くありません。狭い産道の中を出てくるわけですから子牛の筋肉断裂や骨が折れたりします。

母牛のりきみに合わせながら引っ張ります。

ひらめきひらめき生まれましたひらめきひらめき

分娩-4.jpg



この子は全身真っ黒ですね。

これには訳がありまして……と言うのはこの子は黒毛和種の子牛です。

本来ならばホルスタイン種の牛からはホルスタイン種の子牛が生まれてくるのですが、黒毛和種の受精卵をホルスタイン種に移植したのです。 借り腹ですね。

すぐにこの子を母牛の前にもって行きますと、母牛はすぐに立ち上がり鳴き叫びながら身体全体に付着している羊水を舐めます。

分娩-5.jpg



よ〜く見ていると子牛の鼻面に母牛の口を押し当て口の中に残っている羊水をちゅうと吸い上げてます。

生れ落ちた時に自然に切断されたへその緒のところも舐めています。

とにかくあっちこっちを舐めながら ぐうお〜 ぐうお〜 と今まで聴いたことのないような鳴き声を発しながら子牛の体を鼻先で怒つきまわしています。

 
分娩-6.jpg



するとどうでしょう

生まれて間もない子牛が立ち上がろうとするではありませんか…もちろん母牛は ぐうお〜 ぐうお〜 と泣き叫びながら大きな身体を揺すりながら子牛のお腹の下に鼻面を入れて子牛をひっくり返しています。

まるで気違い牛になったように暴れてます。

早速母牛に味噌汁の中にビタミンAD3E、カルシウムを入れたぬるま湯を飲ませます。大体母牛の体温に近いぬるま湯です。

分娩-7.jpg



母牛は40リットルから多いときには80リットル位飲みます。味噌汁の中にビタミンAD3E、カルシウムを入れたぬるま湯は最初の20リットルだけで後は白湯です。

さあいよいよ初乳を搾ります。

分娩-8.jpg



子牛の赤ちゃんは無菌状態の母牛のお腹から雑菌だらけの世界に出たわけですから、少しでも早く母牛の抗体免疫を与える必要があります。

殺菌消毒をしたタオルで乳房を払拭し前搾りをします。これは正常な乳汁が出るかどうか検査をします。以上がなければバケットミルカーで搾ります。

初産の牛の場合はほぼ搾りきります。 搾りきっても普通は10リットル位しか出ません。

今回の牛の場合は暴れることなくおとなしく搾らせてくれました。

中にはお産も初めて、ミルカーで搾られるのも初めてなので暴れまくってなかなか搾らせない牛もたまにいます。

搾り終わると直ぐに哺乳びんの中に移し子牛に飲ませます。哺乳びんの中には2リットル入ってます。

分娩-9.jpg
 
 
分娩-10.jpg


この子は案外素直に2リットルの初乳を全部飲み干してくれました。

これで子牛に母親の抗体免疫が入れられたので仮に汚いものを舐めても病気にはなりませんが、子牛の居場所の環境が悪いと病気にもなります。

本来の姿であれば子牛は母親のそばで守られながら成長するのですが、生まれたときから親子を引き離し、母親の代わりを人間がするのですから細心の注意をしながら育てて生きます 

黒ハート生まれてきてくれて有難うわーい(嬉しい顔)
                        

今日の一言  

もうやだ〜(悲しい顔)もうやだ〜(悲しい顔)悲しくわびしい想いをしましたふらふらふらふら

朝夕牧場の近くを高校生が自転車で通学しています。
“おはよう” と声をかけるときがありますが、おはようのお返しがありません。

夕方学校帰りの子供達に、“お帰り” と言っても返事がない。
聞こえぬ振りして無視して通り過ぎていく子供や、汚いものでも見るような
目つきで睨み返しながら通り過ぎていく子供達・・・・・

本当に挨拶できないのかな〜 侘しい想いでした。

posted by 夢の助 at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 生命 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

 

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。